頭痛が痛い的ななにか (6)

ぼくの中では若さが延長されている。若さは深く沈み込み、うまく落ちついていない。そのためにぼくは、老年の中で道に迷った若者のような、または、もはや自分のものでなくなった年齢の中で道に迷っている老人のような姿をする始末となっている。
「苦しみについて」コクトー『存在困難』秋山和夫訳 (p.94)

前にもこれは引用したが、自分自身が過去にとらわれすぎていないために「これは何年前のことだ」ということを簡単に言えてしまう。実際は自分自身も誰彼なく等しく歳を重ねているというのに。その頃に戻る気はさらさらないが、その時の若さが延長されたまま自分の中にあり、時折生え際の白髪を見てやっと自覚するのだ。他人のちょっとした仕草が気になる場合ではないというのに。