「裁定申請」の事例研究。

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20110609/ の続き。
裁定申請事例を見るとそのほとんどが試験問題集関係である。年明けに「無断復刻」案件の関係でこれを調べていたときに、気にはなっていた(ただし、時間とコストを考えたら見合わないし、結局自分の内容は引用の範疇に収まることがわかったので、概要を調べるにとどまった)。
これについて、藤岡真氏が「唐沢俊一検証blog」のコメント欄で解説しているので(簡潔な説明でわかりやすい)引用させていただく。
http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20110609#c1307665317

藤岡真 2011/06/10 09:21
「試験」と名がつけば、入社試験だろうが、著作者の承諾を得ずに無料で使用できます。著作権は及びません。ただし、楽曲の歌詞の場合はJASRACに当該する料金を支払う必要があります。

http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20110609#c1307674811

藤岡真 2011/06/10 12:00
>問題集に掲載する段階で著作権者に許可を求める必要がある 
はい。ただ、入試や教科書(これも許諾無しに掲載できますが、金銭は発生します)に使われるのは一種のステイタスと考えられているのか、二次使用で不許可という例は寡聞にして存じません。「作者のいいたいことはなにか、以下のイからホ」の中から、一番相応しいものを選べ。という設問に「全く該当するものがないのだが」と苦言を呈した作家はいました。

http://www.cric.or.jp/qa/sodan/sodan19_qa.html
これについては、著作権情報センターでも説明されている。試験自体なら著作権者の許諾は不要、ただし営利目的の模擬テストは適用除外で、試験問題集の刊行に際しては「原文の著作権者」「試験の著作権者(作成者)」それぞれに許可を取る必要があるようだ。ただしそのために複数の関係者に許可を取るのが煩瑣なのでああいう形で公告をすることが理解できた。
当然ながら、一般人がこういうことに関わることはまずない。要件を満たしていれば引用権は認められており、本文のボリュームを超えて大量に図版を引用するということもまずありえない(それを「朴李」と人は言う)。ただし、知識として押さえておけば、どこかで役に立つかもしれない、いや無理かw