「脚本集」の検証作業(その2)。

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20110122/ の続き。
今度は「ブロークン・ドイッチェ」。
やっとわかったよ。
佐藤歩に麻衣夢とオキニの女優を使いたかったわけだ。
「この二人の関係は『唐沢さんの理想の男女関係ですか』とからかわれてしまったが」(P.36)
って、そりゃ言われるわな。
台詞で全てを説明する脚本であるのは、前の「オールド・フランケンシュタイン」と同じで、あの狭い劇場で配役14名、30幕という時点で無駄に多すぎるわけだが、ドタバタなだけでミュージカルにはなっていないような気がするのは気のせいであろうか。歌唱部分は19幕目だけだし。おまけに亜国ネタまで出すのか、ハリー正塚と呼ぶぞw*1
でもって、まえがきを読んでみた。
これが非常に読みづらかったのは当然で、「最初の形に一番近い(初稿ではないが)形の台本を採録することにした」(まえがきより)って、また素案だけぶん投げて後の作業は劇団に任せたんかいと突っ込みを入れたくなる。台本を頒布するのなら、上演時の形にするんじゃないのか(当然ト書きにはどういうふうに演出するかなどを書いて、台詞の部分に書くことはない)。
http://theres.co.jp/rokugatsunohebi/index2.htm
自分はたまたま塚本晋也氏の「六月の蛇」脚本を持っているから(劇場で売っていたがすごく高かった)、そのイメージで読んだらすげぇ裏切られた気分。まあ、それと比べること自体が間違っているのは承知の上だが。

*1:ヅカファン専用のネタ。正塚晴彦の書く脚本が、亜国とナチ絡みの内容に傾斜しているから。亜国は戦後徳国から亡命者を大量に受け入れたのは事実だが、もはや人口に膾炙しすぎて新味も何も無い。