こんな留守録は要らん。

貴方が、友人知人家族恋人でも誰でもいい、相手に電話を掛けたときに、不在あるいは出られなかったとき、留守録にどういう内容を吹き込むか。
ふつうは、電話をかける原因となった要件、ならびに相手方への伝達、依頼内容が続くはずである。近しい関係であれば、電話があった履歴だけ残してすぐ切るのもありだろうが、何らかの形で相手に連絡を取る必要があれば、必ず用件だけは伝えるはずである。それが
「電話くれ」
とだけ録音があったら貴方はどうするか。
折り返し電話をかければいい、確かにそうなのだが、そもそも「用件は何か」という根本的な疑問にこの留守録は応えていないのである。こちらは、相手の意図を類推するしかない。とはいえ、これも相手に取って失礼極まりない話で、わざわざ相手に忖度を求める電話を果たして掛けていいものなのか。
いくら近しい相手であっても、これはない。いや、近しい関係だからこそ、そういうことはやってはいけないものであるし、だからこそきちんと用件を伝える、それが電話のマナーである。
そう考えると、こういう電話というのは「家族」「親戚」などのごく近しい関係で、なおかつ「相手を下に見ている」という意識がなければかけられないものである。目上の人間に用件も伝えず「折り返し電話ください」ということは決してない。当然、こういう「用件も何もなく、ただ電話くれ」という電話に対しては黙殺するのが最善という結論に至るわけである。