日銀は好況なんか望んでいない。

日経新聞の夕刊に「十字路」なる匿名コラムがあり、そこで「九楽」なる馬鹿がこんなことをほたえていた。間違いなく日銀付の記者なんだろうが、日銀の思想がよくわかって面白い。


「もし、預金金利が1%に引き上げられたら、メガバンクの資金運用の15%程度を占める国債投資は利回りが1.4%台なので、経費を考慮すれば逆ザヤになる可能性がある。見方を変えれば、預金金利が引き上げられれたら銀行は国債運用を減らし、貸し出し増に躍起になるだろう」

ちょっと待て。

不況だから企業は金を借りないんだろうが。
それに、預金金利を1%に上げる(ほどの公定歩合を引き上げ)たら、長期金利もつられて上がるし、国債の表面利率も上がる、ひいてはそれによる巨額な評価損が出るということにまで頭が及ばないんだろうか。

おまけにこんなことを。

「今、ニュージーランドドルなど高金利通貨が買われている。日本など低金利国で調達して高金利通貨で運用する、いわゆるキャリートレードが生き返っているようだ」

日銀が「デフレの番人」ということだけがよくわかったコラムであった。