「存在困難」ならびに「逆命利君」について

晩年のコクトーの作品が好きだ。「コクトー詩集」「阿片」「恐るべき子供たち」「山師トマ」などは10年以上前に読んだが、今や全て手許にない。唯一残るのが「存在困難」である。
コクトーといえば、佐高信「逆命利君」で、コクトーの命日に黒いネクタイをして出社したという鈴木邦夫氏の逸話を思い出すが、鈴木氏はいつ頃の作品が好きだったのだろうか。
佐高信氏といえば「週間金曜日」編集人として名を連ねていたことで、かなり叩かれた記憶があるが、元来は文学の道に明るい人間なので、そちらのほうに活路を見出すことはできるのではないかと、今でも思っている。思想信条は抜きの話で。